昨今の医療費の増大により、「予防医学(セルフメディケーション)」という考え方が声高に語られています。国も個人の健康維持に関して積極的に啓蒙を進める一方、医療機関においても従来の「医薬品・手術・放射線」といった治療だけでは解決できな い「ストレス性疾患」や「生活習慣病」などに対して、予防医学の必要性を説いたり、積極的に代替医療を取り入れるケースも増えてきました。いわゆる西洋医 学の限界を感じ、いち早く統合医療(伝統医学と現代医学+代替療法)やホリスティック医療に着目する医療機関もふえてきました。
しかしながら、実際にどの代替医療を使ったらいいのかわからかったり、信頼できる療法家に出会えない、的確な情報が得られないなどの理由で、個人と代替療法の正しいマッチングは実現していません。
ホリスティックとは
「ホリスティック」とは全体とか、関連、つながり、バランスといった言葉をすべて包括した言葉として解釈されています。そのかなで、「ホリスティックヘルス」ということばを耳にするようになりました。これは「病気でない状態が健康である」という消極的な定義ではなく、「精神・身体・環境が程よく調和 し、与えられた条件において最良のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)を得ている状態を健康と考える」という定義です。(NPO法人日本ホリスティック医学協会資料より引用)
この定義にもとづいて、医療の現場では、「ホリスティック医療チーム」という概念のもと、一人の患者を一人の医師が診るのではなく、医師と針灸師あ るいはセラピスト(ハーブ・アロマ)といった代替療法家がチームとなって治療に当たる代替医療が行われ始めています。
さらにこの考えを押し進め、地域単位 で病院と代替療法家(サロンや治療院など)がネットワークを組み、未病の段階から治療そしてリハビリテーションまで、一貫したケアを行おうという考え方も 広がり始めています。これが、「ホリスティック・ネットワーク医療」といわれるものです。
ただ私たちはまだこのすばらしい考え方が全国的に普及しているという段階ではないと思っています。そこで、この普及に向け地域医療機関と協力し、ホリスティックな視点でのセルフケアセンターを構築していこうと考えました。